「処理する、という言葉」

屹はその問いに答えなかった。

「神宮朔のことについて、どう思っていようと」声は低く、平静だった。「直接関係のない人間を巻き込むべきじゃない」

数秒、静寂が落ちた。梢の笑みは消えなかったが、その弧度がわずかに浅くなった。

屹は背を向けた。廊下に足音が遠ざかっていく。

会客室のドアが閉まった。

梢はひとりで座っていた。茶碗の中の液体はすっかり冷えていた。指の爪が杯口の縁をゆっくりとなぞり、かすかな、ほとんど聞こえない引っかき音を立てた。

浅野祈が神宮朔の隣に立っている限り。もう無実ではない。

梢は睫毛を伏せ、目の底に一瞬よぎった翳りを覆い隠した。口元の笑みはそのままだった。感情がどれ...

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