「二時二十分の着信」

週末。 表参道。

祈と朔は、東京で最も格式の高いウェディングプランニング会社の会議室に並んで座っていた。

担当プランナーは四十代のフランス人女性で、英語は流暢、日本語は訛りがあるが精確だった。

大型スクリーンに三次元の設計図が映し出された。軽井沢の私有チャペル、全面ガラスのドーム天井、白い原木のフレーム。

「白薔薇一万本をオランダから空輸します。バージンロードの両側に二列で敷き詰めます。ゲストの席は白樺材のベンチを特注で、定員は五十名」

画面が切り替わった。チャペルの内部に陽光がドームから降り注ぎ、白い花の海に砕けた金を撒いたようだった。

「牧師はすでに確認済みです。楽団はウィーン...

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