「静かな陥穽」

夢の中で祈は温かい熱源に無意識に寄り添い、両手で布地を握りしめ、くぐもった声で呟いた。「くまちゃん……」

朔の動きが止まった。その場に数秒立ったまま、それからゆっくりと彼女をベッドに横たえ、丁寧に布団を引き上げた。

次の瞬間、祈の眉間がきゅっと寄った。まだ眠りの中で、くぐもった不満を漏らした。「奏汰……最低……」

さっきまでの柔らかな気配が一瞬で消えた。朔の目に薄い冷気が降りた。

手を伸ばし、布団を彼女の頬の高さまで引き上げた。外の光をすべて遮断した。

翌朝、温もりと柔らかな感触が祈を目覚めさせた。

意識が戻った瞬間、周囲の違和感をはっきりと感じた。柔らかいシーツ、温かい体温、頭上...

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