「隣に立つ覚悟」

朔の指が、祈の手の甲を軽く叩いた。

「あった」

「どの程度?」

「もう終わったことだ。今の俺にとっては他人だ」

祈はじっと彼を見つめた。朔は視線を逸らさず、真っ直ぐ見返した。

「わかった」

祈は視線を戻した。

朔はそれ以上何も言わなかった。今、広げる必要のないことがある。

立花がキッチンから夕食を運んできたとき、二人がソファに並んで座っているのが見えた。

祈の頭が朔の肩にもたれかかり、呼吸が少しずつ深くなっていく。朔の手は彼女の肩のすぐ横で止まっていた——降ろさず、ただその位置で、長い間そのままだった。

立花は廊下で二秒立ち止まり、踵を返してキッチンへ戻った。

トレイを置...

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