「宣戦布告」

車のドアが従者に開かれた瞬間、フラッシュが一斉に光った。

祈の肩が本能的に強張った。朔が先に降り、振り返って手を差し出す。

黒い革手袋が照明の下で冷たい光沢を放っていた。

祈はその手を握り、ヒールで地面を踏みしめた。

朔は手を離さなかった。指で彼女の手を包み込み、ホテルの入口のレッドカーペットを通り抜ける。

周囲にざわめきが広がり、祈の名前を口にする者がいた。それ以上に多くの声が朔の名を呼んでいる。

宴会場の大扉が二人の前で開かれた。数百人の視線が一斉に注がれる。

朔が足を止めた。声は大きくないが、突然静まり返った広間に明瞭に響いた。

「紹介する——浅野祈、俺の...

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