「桃花三輪」

「教えない」

祈の顔が燃え上がった。枕を掴んで投げつけようとしたが、腰の鈍痛で動作が途中で止まり、枕は力なく布団の上に落ちた。

朔が低く笑った。

祈は顔を布団に埋め、くぐもった声で言った。「……全部あなたのせい」

「ああ」朔の口調は当然のようだった。「俺のせいだ。だから今日は家で休め」

祈は数秒黙り、また布団から顔を出した。

「ダメ。図面があと二枚修正が終わってない」

「もう休みの連絡は入れた」

「じゃあ取り消して」祈はすでに布団をはいで、裸足で床に立っていた。

腰にまた酸い痛みが走り、表情が歪んだが、それでも立ち上がった。

朔は祈がぎこちなく更衣室へ向かう背中を見ていた。...

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