「梅雨」

礼儀正しく、簡潔で、何も問題のないメッセージだった。

だが祈にはわかっていた。これはプロジェクトの話だけではない。朔はすでに晩餐会で公に宣言した。祈と朔の関係は誰もが知っている——唯一、祈自身がまだ梢に対して正面から一言も言っていなかった。

これ以上先延ばしにはできない。

祈は「承知しました、三時にお伺いします」と打ち、送信を押した。

紬に電話をかけた。

「紬、今日の午後、車貸してもらえる? 品川で人に会うの」

「いいよ、鍵は私のデスクの引き出しに入ってるから自分で取って」紬は一拍置いた。「誰に会うの?」

「白河梢」

電話の向こうが一瞬静まった。「……本当に一人で行くの?」

...

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