「横浜行き」

「三日間電話に出ないのは本当よ。あの子は昔もこういうことをやった——飲みすぎてネットカフェで三日寝込んだこともあったわ。でも祈は賭けない。真に受ける。真に受けなきゃいけない」

文乃は包丁を止めた。祀奈を見た。

「あの子は一人で横浜に飛んでいく。土地勘もない、お金もない、焦って慌てて。慌てればミスをする。ミスをすれば惨めになる。そのとき白河屹にどんな祈を見せるか——難しくない」

祀奈の口の端が、ゆっくりと上がった。

「じゃあ叔母さん、電話するときは慌てた感じでお願いします」

文乃はさやいんげんをコンロに運び、祀奈に背を向けた。

「来月の五万、忘れないでね」

「もちろん」

祀奈は椅...

ログインして続きを読む