第十八章 宴の追放劇

電話が繋がると、向こうから実験室の換気システムの低い唸り声が流れてきた。

「周防です。」

紗奈は一瞬黙ってから、口を開いた。「賢さん、人脈が広いから……離婚調停に強い弁護士を紹介してもらえませんか。」

少し間を置いて、続けた。「一番高い方でなくていい。一条家の法務のやり方を熟知している方がいい。」

向こうはさほど考えなかった。

「わかりました。明日の午前中に連絡先をお送りします。」

紗奈は顔を上げ、遠くの別邸の灯りに視線を向けて、一度瞬きをした。「ありがとうございます。」

それだけ言って、踵を返した。


翌日の午前、新宿区某法律事務所。

百葉窓が半分開いた応接室で、林...

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