第二十一章 登壇

鹿島さんの顔色が、紅潮から灰色へと変わった。

先ほどの傲慢さはすっかり消え失せ、手にしたグラスを慌てて置いた。

真理子は言葉に詰まり、ついに頭を下げた。声がかすれている。

「……失礼いたしました。」

宴会終了から十二時間も経たないうちに。

ツイッターと各大手SNSプラットフォームには、すでに対照的な二枚の写真が拡散されていた。

一枚は紗奈がケーキを顔に浴びせられ、背筋を伸ばして人々の中央に立つ横顔。

もう一枚は客たちが争うように同じ人物へ頭を下げる現場。

書き込みはそれぞれ違うが、方向性は驚くほど一致していた——

「一条財閥の奥様、実はX-24ワクチン開発の立役者」と書く者。...

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