第四十六章 病室の宣告——冷えた心と、引き返せない言葉

紗奈は薬袋をベッドのサイドテーブルに置いた。

コンビニの白い紙袋が、蛍光灯の下でやけに目に刺さる。

「舞が電話で、パパの傷が痛そうで、顔が赤いって言ってたけど。」声に抑揚はない。「あなたが教えたの?それとも子供が自分で考えたこと?」

一条様は手元の経済誌を閉じた。焦る様子は微塵もない。

「あなたが電話に出ないから、他に方法がなかった。」

「四歳の子供に嘘をつかせたの。」

「嘘じゃない。」一条様は窓の外の夜景へ視線を流した。「あの子があなたに会いたいと、そう伝えただけだ。」

反論の隙がない。それでいて、息が詰まる。

紗奈は三秒だけ彼を見つめ、それから背を向けた。

舞はベッドの隅...

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