第4章
朝八時。私はあの忌まわしいベルベットの毛布にくるまりながら、SNSをスクロールしていた。この……支配感を味わいながら。
ええ、白状する――私はもう、病みつきになっていた。
指でシルクのような生地をなぞりながら、ありありと光景を思い浮かべる。M市の高層ビルの一室で、千堂早遊がプレゼンの途中で突然動きを止め、その目がどこか遠くを見つめるのを。
案の定、彼の思考が鮮明に流れ込んでくる。
『まただ、あの温かい感覚……彼女を思い出させる』
私はにやりと笑った。彼女? それって、私のこと?
いたずらっぽく、大切なものでも抱きしめるように、毛布をぎゅっと握りしめる。
『くそっ、集...
ログインして続きを読む
チャプター
1. 第1章
2. 第2章
3. 第3章
4. 第4章
5. 第5章
6. 第6章
7. 第7章
8. 第8章
縮小
拡大
