第109章 狂った嘘をでっち上げる

「言え」

阿部岳斗の足裏に、さらに力がこもる。

「あ——っ!」

美玲の身体が感電したみたいにびくりと跳ね、次の瞬間、床へ叩きつけられた。

痛い。

息を吸うだけで、刃物を飲み込むようだった。

それでも、彼女は懇願しなかった。

無事な右手で太腿の肉をえぐるように掴み、意識を手放さないよう必死に踏みとどまる。

「私が作り話をしているとでも?」

美玲は荒い息を吐き、口内の血の泡を阿部岳斗のズボンへ吐き散らした。

裂けた唇の奥、血に染まった歯が覗く。

「阿部岳斗、怖いんでしょ」

「陽が誰かに殺されたってことが」

「その犯人が、あんたがいちばん大事にしてる女だってことが!」

...

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