第11章 免疫

血の雫が一滴、また一滴と床に落ちる。澄んだ音なのに、耳障りだった。

 美玲は剣山の上に立たされ、全身を激しく震わせていた。

 足裏の傷は無数の針に深々と貫かれ、わずかに身じろぎするだけでも、裂けるような激痛が走る。

 だが、そう長くはもたなかった。

 ほどなくして体から力が抜け、視界がふっと暗転する。そのまま前のめりに倒れ込み、床へ叩きつけられるように落ちると、美玲は意識を失った。

 血は裾をぐっしょりと濡らし、その下の床まで赤く染め上げていく。目を背けたくなるほど、凄惨な光景だった。

 阿部岳斗は倒れ伏した彼女を冷ややかに見下ろしていた。表情は微動だにしない。

 数秒ほど黙っ...

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