第121章 来られるか?

「パンッ!」

マーガレットが彼女の手を押さえつけた。視線が刃物みたいに鋭くなる。

「よく聞きなさい。これは正式な治験すら経ていない非認可の薬よ。副作用は――洒落にならない」

マーガレットは岩崎春菜の目を、逃がさないとでも言うように睨み据える。

「脳の前側にある重要な領域を、深刻に壊す。投与量が多すぎたり、繰り返し使ったりすれば……阿部岳斗の神経は完全に焼き切れるわ」

「人格が変わる。感情を制御できない、手のつけられない怪物になるかもしれない。最悪、思考する力まで失われて、以前のような判断もできなくなり、まともに言葉も出てこない――ただのバカよ」

マーガレットは声を低く、重くした。...

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