第129章 妊娠した!

再び意識を取り戻したとき、阿部岳斗の鼻を突いたのは、濃い消毒液の匂いだった。

自室の大きなベッドに横たわり、手の甲には点滴の針が刺さっている。

灰をかぶったような目を開いた岳斗は、針など気にも留めず、乱暴に引き抜いた。ぷつり、と血が弾け、白いシーツに赤い花が散る。

ふらつく身体を起こし、視線を部屋の隅へ向けた。

そこにあるのは、巨大な――業務用の医療冷凍庫。

美玲の遺体を収めるために、彼がわざわざ買い付けたものだ。

岳斗は裸足のまま冷たい床を踏み、ゆっくりと冷凍庫の前へ立つ。震える手で金属の取っ手を握り、力任せに引いた。

「シュー——」

刺すような冷気が顔面にぶつかり、白い霧...

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