第132章 痛いか?

阿部岳斗は眉ひとつ動かさなかった。

麻酔なし。消毒なし。

冷酷な処刑人みたいにメスを握り、岩崎春菜の腹をためらいもなく切り裂く。一直線に、二十センチ。

皮膚と肉がぱっくり開き、血が噴水みたいに噴き上がった。黒いシャツを叩き、顔面まで真っ赤に染める。

それでも拭わない。

両手を伸ばし、血と臓腑でぐちゃぐちゃになった腹腔へ、そのまま突っ込んだ。

「痛いか?」

指が肉の中をかき回し、子宮を探る。

「美玲はな、おまえの一万倍痛かった」

ぬるり、と。

滑って冷たい何かを掴む。容赦なく引きずり出した。

どろりと黒赤い羊水と血の塊が溢れ、母体から引きちぎられるようにして――歪んだ“そ...

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