第138章 罪を償う?

彼女はボディーガードの手からボイスレコーダーを奪い取り、録音ボタンを押した。

数時間後。

北城。

阿部岳斗はがらんどうの部屋にひとり、巨大な業務用冷凍庫を前にして、ただ呆然としていた。

秘書が扉を押し開け、例のボイスレコーダーを机の上にそっと置く。

「社長……江口さん、書類は受け取りませんでした」

秘書は唾を飲み、続けた。

「ボディーガードに、これだけ伝えて帰せと……」

阿部岳斗の指先が、目に見えて震え出す。

ボイスレコーダーを掴み、再生ボタンを押した。

静まり返った部屋に、江口美玲の声が落ちる。冷え切っていて、感情の欠片もない。

「阿部岳斗。いまさら、罪を償うつもり?...

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