第139章 伝言した

秘書は恐怖で全身を震わせ、手にしていた予備の携帯を慌てて差し出した。

「江口さんのボディーガードから伝言です」

「……もし本当に会いたいなら」

「武器は一切持たないでください。ボディーガードも連れないでください」

「ひとりで、マーガレット地下実験室の第1地下牢で待て、と」

阿部岳斗の呼吸が、そこで途切れた。

第1地下牢。

かつて――江口美玲が犬小屋同然の檻に押し込められ、散々痛めつけられた場所。

「針を抜け! 車を回せ!」

阿部岳斗は半狂乱のまま、手の甲の点滴チューブを引きちぎった。白いシーツに、血がぱっと散る。痛みなど感じている余裕はない。よろめきながら病室を飛び出した。...

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