第143章 目が見えない人

だが、スクリーンはどうやっても落ちなかった。

映像が、再び切り替わる。

次に映し出された主役は、阿部岳斗だった。

――あれは、かつての豪華クルーザーのパーティー。

阿部岳斗は仕立てのいいスーツに身を包み、グラスを片手に、ロビー中央の錆びた鉄の檻を指さしていた。

江口美玲は鎖で檻につながれ、裸の身体には鞭の痕が幾筋も走っている。

「こいつは男がいないと生きられない、下品な女だ」

映像の中の阿部岳斗は、笑っていた。残酷さを隠そうともしない笑み。視線は、犬でも見るみたいに冷たい。

彼は横にいるボディーガードへ、軽く手を振った。

「一番きつい媚薬を飲ませろ。スクリーンも開け。発情し...

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