第145章 薬が効いてきた

まさに阿部岳斗が岩崎春菜へと覆いかかろうとした、その瞬間だった。

「――っ」

死刑独房の天井にある通気口から、突如として淡いピンク色の気体が噴き出した。 それはかつて、岩崎春菜が江口美玲に無理やり吸入させた、極めて強い作用を持つガス状媚薬だった。 気体は瞬く間に二人の肺へと吸い込まれていく。

十秒も経たないうちに。 阿部岳斗と岩崎春菜は、同時に苦痛のうめき声を漏らした。

薬効が発動したのだ。 大いなる象すら狂乱させるほどの強烈な発情薬が、彼らの血管の中で狂ったように燃え盛る。 阿部岳斗の全身の皮膚は真っ赤に染まり、下腹部には制御不能な邪悪な炎がうねり、理性が少しずつ焼き尽くされていく...

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