第146章 放送された?

死刑囚独房。

阿部岳斗は刃物を岩崎春菜の手のひらへ突き立て、コンクリートの床に縫い留めるように押さえつけた。

その瞬間――独房の天井に埋め込まれたスピーカーから、外の音が唐突に流れ込んできた。

記者たちのどよめき。警察車両の耳障りなサイレン。

阿部岳斗の血の気が、一気に引いた。

潰れた両眼が、怯えたままスピーカーへ向く。

「美玲……」声が、枯れ葉みたいに震える。「お前、これを……流したのか?」

スピーカーの向こうで、江口美玲が、ひどく小さく、ひどく冷たい笑いを零した。

「阿部岳斗。これで終わりだと思った?」

その声は、氷の鉤。阿部岳斗の心臓を、じかに引っかけてくる。

「さ...

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