第152章 気持ちいいかどうか

そのときだった。

独房の天井に埋め込まれた放送スピーカーが、いきなり耳を裂くようなノイズを吐き出した。

次いで、江口美玲の冷え切った――底の底まで残酷な声が、房全体に反響する。

男囚たちの動きが、ぴたりと止まる。

阿部岳斗は血溜まりにうつ伏せのまま、潰れた眼窩をスピーカーの方へ向け、穴の開いた笛みたいな嗚咽を漏らしていた。

「阿部岳斗。男どもに身体を裂かれる気分は、どう?」

放送の声は続く。骨の髄まで凍るような冷たさをまとって。

「まだ阿部家が助けに来ると思ってる?」

「耐えれば、権力者の友だちが何とかして引き上げてくれる――そう信じてる?」

房内は、息が詰まるほど静まり返...

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