第163章 考えすぎて狂いそうだ

荒れた指の腹が、江口美玲の痩せた腰のラインをなぞるように上へ滑っていく。指先が、下着の縁で止まった。

江口美玲は、見えない目をぎゅっと閉じた。身体が勝手に震える。

怖い。――本当は、どうしようもなく。

泥の上に押し倒され、犬小屋みたいな場所に押し込まれ、何度も踏みにじられた記憶が、毒蛇のように絡みついて離れない。

それでも彼女は、無理やり脚を開いた。

温度がほしかった。たとえそれが痛みでもいい。痛みの形をした熱でも。

市川颯人は、その硬さを感じ取った。

スーツのズボン越しに、熱を帯びた硬いものが、江口美玲の太腿へ執拗に押しつけられる。欲しい。狂いそうなほどに。

――なのに。

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