第20章 お前の脳を切除する

医者の言葉を聞いた阿部岳斗は、唇を強く噛んだ。――あれは、自分がいちばん愛した女だ。絶対に、彼女から光を奪わせるわけにはいかない。

彼は振り返り、ベッドの上で空を見てへらへら笑いながら、口の中で「ベビー、ベビー」と繰り返している女に目をやった。

美玲の狂ったような様子に、胃の奥がむかついた。

「今すぐ病室を移せ。最上階の完全密閉型特別介護病棟へだ。使える生命維持装置は全部つなげ。二十四時間、秒単位で監視しろ。心拍、血圧、血中酸素飽和度、臓器の数値――三十分ごとに必ず俺へ報告しろ」

阿部岳斗は医者の白衣の襟をつかみ、引き寄せた。

「いいか、来週の角膜移植まで、こいつは絶対に死なせるな...

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