第21章 俺と取引しようとでも?

「脳葉切除」——その単語を耳にした瞬間、美玲の頭の中は真っ白になった。

抵抗が、止まる。

動きたくないわけじゃない。あまりにも大きな恐怖が、神経という神経を凍りつかせたのだ。

脳葉を切り取る。

それは生きている人間を、思考も感情もない愚か者に変える行為。

阿部岳斗は岩崎春菜のために、自分を「呼吸するだけの生きた臓器保管庫」に作り替えようとしている——。

冷たい金属のベッドに、彼女はがっちりと固定されていた。特製の太い拘束帯が四肢を締め上げ、手首と足首の皮膚は赤黒く腫れ上がっている。食い込んだ部分は白くなり、奥の筋まで透けて見えそうだった。

さっき必死に逃げようとして裂けた傷口か...

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