第22章 見逃す?

あり得ない。

この女は生まれつき骨の髄まで頑固で、何から何まで彼に逆らう。その存在はまるで胸に刺さった棘そのものだった。苛立ちの種でしかないその棘を、阿部岳斗は根こそぎ引き抜き、粉々に踏み潰さずにはいられなかった。

「誰か」

阿部岳斗が冷えきった声で呼ぶ。

すると主治医が、額にびっしょりと冷や汗を浮かべながら、病室の外から小走りで入ってきた。

阿部岳斗は美玲の体につながれた無数の管を指し示す。

「鎮痛ポンプを外せ」

医師ははっと顔を上げ、目を見開いた。

「阿部さん、それは……無理です。美玲さんは傷が重すぎます。鎮痛を切れば、持ちません」

「外せと言った」

それ以上は逆らえ...

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