第28章 呪い?

「殺すのはまだだ」

岩崎春菜は阿部岳斗の膝の上に腰を下ろし、柔らかな体を彼の胸にぴたりと押し当てていた。

防犯カメラのモニターには、金属製スタンドに人形みたいに吊られた女が映っている。春菜はそれを見つめながら、内心では今にも笑い出しそうだった。

江口美玲――ざまあみろ。

けれど、春菜の表情は次の瞬間、途端に悲しげに歪む。右目をそっとこすり、声を甘く震わせた。

「岳斗……目が、すごく痛い……」

岳斗の意識が、モニターから一気に春菜へ移る。彼は慌てて春菜の頬を両手で包み、目元を覗き込んだ。

「どうした? また炎症か? すぐ医者を呼ぶ!」

春菜は首を横に振った。ぽた、ぽたと涙が落ち...

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