第37章 殺人!

「やめろ!」

阿部岳斗は荒々しくアレン教授を突き飛ばした。

アレンの手からメスがすっぽ抜け、金属トレーの上で甲高い音を立てて跳ねる。

アレンは怯えと苛立ちの入り混じった目で阿部岳斗を見た。

「阿部さん、また何を……岩崎さんが待って――」

「やめろって言ってるだろ! 聞こえないのか!」

阿部岳斗の目は血が滲みそうなほど赤い。胸が大きく上下し、頭の中はぐちゃぐちゃだった。

防犯カメラの映像に映っていた岩崎春菜の、あの毒々しい顔。

そして今、目の前の美玲の身体に刻まれた、偽りようのない傷痕。

二つの刃が、理性を何度も削り落としていく。

もし――。

あのとき自分を救ったのが美玲...

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