第40章 彼女には甘える資格がない

病院は非常事態そのものの空気に包まれていた。

この病室は、もはや患者を治す場所ではない。痩せ細った家畜を無理やり太らせるための、冷たい処置室へと変わり果てていた。

美玲は硬いベッドにきつく拘束されている。

手首も足首も、そして首までも太いベルトで固定され、革の縁は痩せた皮膚に深く食い込み、赤黒い傷を幾筋も残していた。

屈強な看護師たちが入ってくる。手にしているのは、親指ほどもある太い経管チューブだった。

「阿部さんの指示です。食べられなくても入れろと」

ためらいはない。

太い管が、そのまま美玲の鼻先へ向けられた。

「んっ……!」

差し込まれた瞬間、美玲の目がかっと見開かれる...

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