第44章 一体の死体

手術室の扉が開いた。

美玲は、屈強な看護師たちに乱暴に持ち上げられ、冷えきったステンレスの手術台へ放り上げられる。

敷物はない。患者着すらない。

皮を剥がれた肉塊のような身体が、何ひとつ隠されぬまま、そこに横たえられた。

頭上の無影灯がぱっと点き、刺すような白光が降り注ぐ。だが美玲には目を閉じる力すら残っていない。

四肢はなおもベルトで手術台の端に固く固定され、砕けた手首の骨は空気に晒されたままだ。暗赤色の血が、ステンレスの縁を伝ってぽたり、ぽたりと落ちていく。

阿部岳斗の命令は、すでに下っていた。

麻酔は使うな。

美玲の角膜を、生きたまま摘出しろ。

アレン教授は手袋をはめ...

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