第46章 ガラスを飲み込む?

阿部岳斗の手が、美玲という黒いゴミ袋のファスナーに触れた。

「ズズッ――」

ほんの少し、口が開く。

隙間から冷気が忍び込み、美玲の頬を叩いた。

解毒剤のせいで、心臓がやたらとうるさい。

ドクン、ドクン、ドクン。

廊下にまで響くほどの鼓動。

阿部岳斗が、聞き取ってしまう。

聞かれてしまう。

美玲は目を閉じたまま、ちぎれた手首を押さえ、息がうまく吸えない。

終わりだ。

このまま、阿部岳斗がもう少しだけファスナーを下へ引けば、痛みで歪んだ顔が見える。

袋から引きずり出され、手術台へ――麻酔もなしに角膜をえぐられる。

「ア、阿部さん……」アレン教授の声が裏返った。「こ、これ...

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