第47章 犬に投げて食わせろ!

「……あの人、助かっただけじゃない。目を覚まして最初にやったのが、胃管と輸血の針を自分で抜いたって。着替えもせず、血の付いたパジャマのままボディーガードを引き連れて、地下の霊安室へ直行したらしい」

「地下で何を? ……もう、それがあんたの遺体だって信じたんじゃなかったの?」

「さっき、岩崎春菜が集中治療室であの人に会ってきた。阿部岳斗にこう言ったの。霊安室で“遺体”の手首に触れたら、骨の断面が妙に滑らかだったって。帯で生きたまま締め上げて折れた感じじゃない。むしろ――ノコで切ったみたいだって」

美玲はベッドの上で、全身の血が一瞬で冷え切るのを感じた。

岩崎春菜は今、半ば視力を失ってい...

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