第48章 どうして逃げないんだ?

「バンッ!」

倉庫の扉が叩き割られるような轟音が響き、地下室全体がぶうん、と唸った。

目黒律の反応は速かった。

美玲の膿と血にすっかり染みた毛布をひったくると、裸の身体をきつく巻き込み、抱え込む。

「裏口の抜け道だ! 早くしろ!」

怒鳴りつけられ、呆然としていた執刀医が転げるように手術室の隅へ走る。錆だらけの鉄の床を力任せにめくり上げた。

口を開けたのは、真っ黒な地下の通路。

目黒律は美玲を抱き上げると、そのまま飛び降りた。

「ぐっ……!」

美玲の身体がびくん、と痙攣する。

途中まで切り裂かれた下腹部の壊死した肉が、激しい動きに引きちぎられるように開き、黄緑の膿に血が混じ...

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