第66章 姿を消した

その三日間――阿部岳斗にとっては、屈辱以外の何ものでもなかった。

目黒律が、まるでこの世から姿を消したかのように消えたのだ。

阿部岳斗は表も裏も総動員し、市内の空港、埠頭、高速の出入口を片っ端から押さえた。密航ルートまで根こそぎ洗い直したというのに、目黒律はおろか父親の影すら掴めない。

権力への挑発。そう思えば思うほど、腹の底の火は勢いを増した。

社長室では、百万は下らない骨董の花瓶が粉々に砕け散っている。ボディーガードが四人、床に膝をついたまま息を殺していた。

「役立たずが……! 三日もあって、死にかけの病人ひとり見つけられねえのか!」

阿部岳斗はテーブルを蹴り飛ばし、血走った...

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