第67章 彼を許して!

阿部岳斗の指が、美玲の喉元に食い込んでいた。

空気が、じわじわと押し出されていく。

美玲の顔色は赤から紫へ変わり、彼女は抵抗しなかった。眼球を失った失われた眼窩には、むしろ解放にも似た、死んだような静けさが宿っている。

完全な闇へ沈みかけた、その瞬間——

「ブブブブ……!」

阿部岳斗のポケットのスマホが、狂ったように震えだした。

眉をひそめ、苛立ちが目の底をよぎる。

阿部岳斗はスマホを取り出し、通話ボタンを押した。

「阿部さん!」ボディーガードの声は、抑えきれない歓喜に弾んでいた。「捕まえました! 目黒律、あの役立たずが見事に引っかかりました! 空港へ向かう高速で押さえたんで...

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