第75章 何を図る?

「吐け」

阿部岳斗の声が、頭上から落ちてきた。

冷たい。

冴えきっている。

酔いの気配など、欠片もない。

美玲の血が、一瞬で凍りついた。

寝てない。

この男は、最初から眠ってなんかいなかった。

阿部岳斗は乱暴に彼女の口をこじ開け、指をそのまま突っ込んで喉の奥を探った。飲み込ませた錠剤を、えぐり出すつもりだ。

「……うっ」

美玲がえずく。胃がせり上がる。だが薬はもう喉を落ちてしまっていて、どうにもならない。

引き抜かれた指先には、赤い筋が絡んでいた。

阿部岳斗は手に残った白い粉の欠片を見下ろし、低く問う。

「避妊薬か。誰に渡された」

顎を掴まれたまま、彼女は鉄のフレ...

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