第76章 嫉妬で気が狂いそうだ

「小池さん、まだ何か言い残してるんじゃない?」

美玲は地下室の冷たい壁にもたれ、掠れた声で問いかけた。

小池は小さく息を吐き、外にいるボディーガードに聞かれないよう、声を限界まで落とす。

「奥様……岩崎さんですが、さきほど病室には向かわず、車を用意させて……地下の水牢のほうへ」

美玲の全身が、凍りついたみたいに強張った。心臓が、底へ沈む。

水牢。

目黒律が、そこにいる。

――あの狂った女が、どうして水牢へ?

美玲は身の下の鉄ベッドの縁を、爪が折れそうなほど強く掴む。けれど、何もできない。

自由をすべて奪われた、ただの目の見えない者――それが今の自分だった。

地下水牢。

...

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