第11章

相沢愛音は、連中がどんな埋め合わせをするつもりなのかまでは知らなかった。けれど、ああして鼻をへし折られている姿を見るのは、なかなか気分がいい。

名門には名門なりの、表に出せない事情がある。その手の話なら、彼女も多少は耳にしていた。

とりわけ四宮家のような家ともなれば、水面下での牽制や腹の探り合いなど、ないはずがない。

四宮礼司のような人が四宮家の大半を握っていることが気に食わない。なら、その妻である若奥様の自分まで見下してくるのも、ある意味当然だろう。

相沢愛音は伏せた視線の先で、口元だけを皮肉っぽく吊り上げた。

「たしか伯父さん、楓山のほうに農園リゾートをお持ちでしたよね。あそこ...

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