第19章

四宮礼司の印象は、相沢愛音の中で一気に大きくなった。

「ありがとうございます、四宮様。大好きです」

相沢愛音が嬉しさのあまり、つい口が滑っただけだとわかっていても、四宮グループ社長室にいる四宮礼司の胸は、何かに不意に打たれたように揺れた。

男はわずかに目を伏せ、その奥に浮かんだ感情を覆い隠す。

「本気で礼を言うつもりなら、口先だけじゃ済まないぞ」

コンコン――

ちょうどそのとき、社長室の外からノックの音が響いた。

こちらの気配を聞き取ったのか、相沢愛音は向こうで何やらぼそりと呟き、「先にお仕事してください」とだけ言って通話を切った。

四宮礼司はわずかに眉を寄せ、「入れ」と短く...

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