第20章

相沢愛音は、正直この二人に会いたくなかった。

理由は単純だ。向こうは自分を見下し、こちらもあの人たちが鼻につく。

数日前、食事が終わってから長男家も次男家もそれぞれの住まいへ戻っていった。その後この屋敷に顔を出したのは森田梅子が一度だけで、ほかは誰ひとりとして戻ってきていない。

それが今日になって、いったい何の用で呼び出されたというのか。

「愛音ちゃん、いるじゃない。ちょうどよかったわ!」

最初に口を開いたのは野村秀美だった。親しげな笑みを浮かべているが、目はまったく笑っていない。

相沢愛音は配膳をメイドに預けて、「温め直して厨房に持っていって」と頼む。それから形だけ丁寧に頭を下...

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