第26章

その瞬間、相沢愛音は穴があったら入りたい気分になった。

ということは——あのあと自分が口にしたことも、この人に全部聞かれていたってこと?

しかもこの男は、わざととしか思えない調子でさらに身を寄せ、一言付け足した。

「奥様が、私の稼ぎが楽ではないと気遣ってくださる。それが嬉しいんです」

言い終えるや否や、相沢愛音の頬がみるみる赤く染まっていく。次の瞬間、枕がひとつ飛んできた。四宮礼司はそれを受け止めて脇へ置く。

すると彼女はそのままベッドに倒れ込み、布団を頭まで引っかぶった。

「四宮礼司、出てって!」

布団の中から、怒りと羞恥の入り混じった声が響く。

四宮礼司はくすっと笑った。...

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