第28章

「おまえたち二人、さっきから何をこそこそしておる?」

横から聞こえた四宮おじい様の声に、野村秀美はさっと顔色を失い、後ろめたそうに首を振った。

「な、何でもないわ。ただ礼司に、途中で何かあって遅れたのかって聞いてただけ」

四宮おじい様は意味ありげに彼女を一瞥すると、ゆっくり立ち上がった。

「おまえたちはここで待っておれ。わしは先に上に行く。礼司が戻ったら声をかけろ」

そう言って去っていくと、リビングの空気はたちまち軽くなった。

野村秀美はふうっと大きく息を吐き、白々しく目をむいた。

「わざわざ私たちを呼び戻して、いったい何をする気なの。まさか、まだ私たちから何か奪うつもりじゃな...

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