第32章

メッセージを送ったあと、トーク画面にはずっと「相手が入力中」と表示され続けていた。

 相沢愛音は会話を閉じ、スマホを放り投げてスキンケアを続ける。

「来週、俺に付き合ってパーティーに出ろ」

 四宮礼司の声が、不意にすぐ横から降ってきた。驚いて、愛音の手がぴくりと跳ねる。

(なんでこの男、歩く音がしないのよ……)

 相沢愛音は振り返った。

「パーティーって、どんな? ほかの女の人を連れて行けば? 私たち、冷戦中じゃなかった?」

 それに来週は、彼女も忙しい。

 三連発を浴びせられて言葉を失ったのか、四宮礼司は車椅子の肘掛けをぎゅっと握りしめた。

「外部に、四宮礼司が結婚して間...

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