第39章

「おはようございます。若様はもうお出かけになりました。こちら、温め直しておくよう仰せつかっております。今ちょうどお部屋へ伺おうとしていたのですが……目を覚まされていて」

彼女の口からあらためて四宮礼司の名を聞いた瞬間、相沢愛音の胸の奥がわずかにざわついた。

嫁いできたばかりの頃とは違う。たぶん――昨夜のことが関係している。

甘く絡み合った断片がふっと脳裏に浮かび、頬が熱を帯びる。

あの香膏を思い出し、愛音は眉をきつく寄せた。

相沢衣奈は、いったいどこでこんなものを手に入れたのか。検査に回しておくべきだ。

食事を終えると、愛音は四宮壱に電話を入れ、密封した香膏を検査機関へ届けるよう...

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