第47章

堀野音緒は相沢愛音の問いに、ぐっと言葉を詰まらせた。まさか水月亭で見かけた、とは言えるはずもない。

苛立ちのあまり奥歯を噛みしめ、胸の内で相手を何度か罵る。

「たぶん、私の勘違いよ。会ったことはないわ」

そう口にすると、その場にいた何人かが意味ありげな顔を見せた。

今日の午後ここに集まっている奥様方の中には、森田梅子と親しい者も何人かいる。森田梅子が何を考えていたかも、うすうす察していた。

あの人はずっと、自分の姪と四宮礼司を結びつけようとしていたのだ。ところがそこへ、相沢愛音が横からするりと入り込んだ。

四宮礼司が新しく娶ったこの妻を、森田梅子はきっと憎くてたまらないに違いない...

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