第6章

 ロンドン、メイフェア地区、セント・ジュード大聖堂。

 私は教会のガーゴイル像の脇に立ち、風に煽られたマントがばさばさと鳴った。ビンセントは静かに、私の影の中へ身を潜めている。

 ステンドグラス越しに、内側の茶番が手に取るように見えた。

 アサー――あの狡猾な獣は、「暗夜契約」の情報網で黒木邸の異変を嗅ぎ取り、私がまだ死んでいないと踏んだのだろう。今、やつはクレアと並んで祭壇の前に立ち、ロンドン上流の貴族や成金どもへ、涙と嗚咽の演説をぶつけていた。

「エウィラーは救いようのない怪物です! 高潔な慈善家を装いながら、裏では村ひとつを皆殺しにし、生き血で悪魔の儀式を行っていた!」

 純...

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