第6章
城塞の空気は、コルヴスが口を開いた瞬間、ぴたりと固まった。
「影の癒し手は、いつ来るの?」かすかな震えが、声に滲んだ。
コルヴスの骨ばった翼が内へ畳まれ、私を覆い隠す。彼の視線が、逃げ場なく私の瞳を捉えた。「転移陣の中にいる。すぐ来る」
掌から伝わる熱が、じわりと神経を鎮めていく。
影生まれの鴉族の盲目の癒し手が、枯れた杖に縋りながら重い石扉を押し開けた途端、部屋にのしかかっていた圧がすとんと落ちた。
老いた癒し手は膝をつき、包帯を垂らした手を私の下腹部の上に震わせてかざし、診断の魔法を流し込んだ。
短い沈黙ののち、癒し手は息を呑む。
「奇跡でございます! コルヴス...
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