第11章

古川朱那は外に出るなり、須藤若菜と軽く腹ごしらえをした。

「ねえ、あんたん家のあの養女、なんであんなにムカつくの? 私、あんな気持ち悪いの初めて見たんだけど!」

須藤若菜はぷんすかしながら、箸を握りしめる。

だが古川朱那は、もうとっくに割り切っていた。

前の人生で、痛いほど思い知った。――あんな連中に絡み続けたところで、待っているのは消耗だけだ。

生き返れた。

それだけで、十分すぎるほどの「縁」なのだから。

「ねえ、うち来なよ。もうあんな家で我慢して苦しむ必要ないって」

須藤若菜が真剣な顔で言う。

割れた翡翠のバングルが、ふいに脳裏をよぎる。胸の奥が、ちくりと痛んだ。

朱...

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