第116章

周防天華は彼に水を注いでやり、さらに小さな皿にクッキーまで添えて運んできた。

古川礼希はコップを受け取り、目の前の――見違えるほど様子の変わった妹を、じっと観察する。胸の奥に渦巻いていた委屈と怒りが、なぜだか言葉にならず、喉元で引っかかった。

ぐっと堪えた末、恨みを噛み潰すように吐き捨てる。

「天華。おまえ、知らないだろ。古川朱那のあのクズ、マジでやりたい放題なんだよ!」

「どうしたの、礼希兄さん。落ち着いて、ちゃんと話して」

周防天華は向かいの一人掛けソファに腰を下ろし、心配そうに問いかけた。

その瞬間、古川礼希はまるで味方を見つけたかのように、ここ最近の出来事を一息にぶちまけ...

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